鉄人レース1周年総括レポート

尖端資料開示室//総合競技場


 鉄人レース開設1周年にあたり、これまでの鉄人レースの成果を総括するレポートです(97/11/12)。

[はじめに]

 鉄人レースを開設し1年が経過しました。
 まずは、これまで鉄人レースにご支援頂いた方々に御礼申しあげます。

 さて、この1年間を振り返ってみますと、漠然とした中にもそれなりに興味深いものが浮かんできます。何でも開示する鉄人レースとしては是非ともお知らせしておかなければ沽券にかかわると考え、このレポートを書いております。

 とは言いましても所詮は単なるゲームのことですから、出走者の皆様の投資行動が実際の投資行動を反映しているわけではなくゲームだからこうなったと言ったところでしょうから、ここで指摘したことが本当はかなりムリがあり実は大した意味のないことなのかも知れません。多分そうだと思いたいところです。
 その時はどうぞ悪しからずご容赦ください。

[成績優秀者の属性傾向]

以下に、鉄人レース入賞者の顔ぶれを概観してみます。
●第1回レース入賞者
 優勝 株式投資の未経験者、30代、男性
 2位 株式投資の経験者(経験の程度不明)、40代、男性
 3位 株式投資の未経験者、20代、男性
 特別賞 株式投資の経験者(専門家)、40代、男性
●第2回レース入賞者
 優勝 株式投資の経験者(ほぼ初心者)、30代、女性
 2位 株式投資の経験者(経験の程度不明)、20代、男性
 3位 株式投資の経験者(経験の程度不明)、30代、男性
 特別賞 株式投資の経験者(ほとんど初心者)、20代、男性
●第3回レース入賞者
 優勝 株式投資の未経験者、20代、男性
 2位 株式投資の未経験者、20代、男性
 3位 株式投資の経験者(経験の程度不明)、30代、男性
 特別賞 株式投資の経験者(経験の程度不明)、20代、男性
●第4回レース入賞者
 優勝 株式投資の未経験者、20代、男性
 2位 株式投資の経験者(ほぼ初心者)、20代、男性
 3位 株式投資の未経験者、10代、男性
 特別賞 株式投資の経験者(経験の程度不明)、30代、男性

 これを見ると、大変興味深いことに気がつきます。

 上位の1位と2位は、ほとんどが未経験者か経験年数の浅い人ばかりです。鉄人レースの実際の完走者は未経験者よりも経験者の方がいつも多いのです。考えてみたら全く不思議なことだと思ってしまいます。
 これは、単なるゲームとしてプレイしているためであり、たまたま未経験者の方が成績が良かったとはどうも考えにくいと思います。また、これはただのビギナーズラックだとも考えにくいものがあります。鉄人レースは3カ月の長丁場のレースであり、たまたまがこんなに続くのも不自然です。

[ある結論--ちょっとムリぎみではありますが]

 どうでもよいことではありますが、気になっていろいろと考察してみました。
 そして気がつきました。今、恐ろしいほどの勢いで既存の価値観が壊れつつあるのではないかと。アルビン・トフラー氏の第三の波ではありませんが、とてつもない大きな変化が押し寄せているような気がします。社会のあらゆる領域においてそうです。

 株式市場もそのようです。今や、右肩上がりの状勢ではありません。取引きのグローバル化は急激であり、オプション取引きとかインデックス取引きとか、ある面で難しくまたある面では機械的な売買手法を駆使する機関投資家ばかりが目立ち、日本では普通の個人投資家がどんどん減っていると聞きます。ブラックマンデー前から株式投資を実践しそれなりに知恵を絞って幾多の危機を乗り切ってきた個人投資家たちも、ここ最近の市場の動きには翻弄されるばかりで現実にうまく対処できた人は数えるほどではないかと想像されます。

 よほど自分自身で意識しておかないと既存の価値観から抜けきれません。これは、筆者も例外ではなくいつも痛感していることです。むしろ、今まで間違いないと確信していた自分の投資スタンスは、全てを根底からひっくり返すくらいの気持ちでないとうまくいかないかも知れません。昔のことを知らない未経験者や経験の浅い人が好成績をあげているというレース結果がこれを証明しています。
 もちろん、運がもたらす部分も無視できませんが、やはり不断の自己研鑽しか本当に頼れるものはないのだと思います。

[おわりに]

 この1年の株式市場は2極分化が叫ばれ、一部業種は好調の光景を見ることができましたが、そうは言っても全体はあまりパッとしない印象でした。

 それにつけても、善し悪しは別として、一昔前の政治家はそれなりに頼りがいがあったような気がします。ブラックマンデーの時かフセインのクウェート侵攻の時かは忘れましたが、当時の宮沢大蔵大臣がテレビでコメントを出せば心強いものを感じたのですが、最近では失望するばかりでテレビを見るのもいやになってしまう始末です。環境変化が巨大なのか政治家が小粒なのかは分かりませんが、国際社会の動きに行政が完全に乗り遅れてしまいました。何とも情けない限りです。

 さて、次の1年はどうなりますか、もう一度甲の緒を締めなおし不敗の道を歩んでいきたいものです。


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