ワシントン、正しくはワシントンDC(District of Columbia)が、アメリカの首都で世界の政治の中心であることは子供でも知っていることでしょう。ただし、この街は「政治の都市」という一言では到底言い尽くせない魅力と奥行きを持っています。
今回は筆者がかつて一時期を過ごし、今も限りない愛着を持つワシントンDCについてお話ししてみましょう。
ワシントンでもっとも値打ちがあるのは情報です。情報を求めて、世界各国の企業やジャーナリスト、研究者たちが集まってきます。もちろんスパイもです。アメリカの情報機関であるCIAは、ワシントン郊外のラングレーという街にあります。
ワシントンで、「あなたはどんな仕事をしているの?」と尋ねて、"I am working for the government."(政府の仕事をしている)、と答えるやつがいたらそいつはCIAだ、と語り継がれています。
コカコーラは「少ない資本で要領よく稼ぐ」ことを目指してきました。資金需要はなるべく少な目にして、遊休資産や収益の低い事業はどんどんリストラしてしまいました。儲かったお金の使い道に困ったときは、「自社株買い」を実施して株主に利益を還元します。"We exist to create value for our share owners on a long term basis".(われわれは、株主に長期的に価値を創造するために存在する)という社是を掲げ、96年には「もっとも尊敬される企業」に選ばれました。
株主の目から見た企業の収益性を示す指標に、ROE(株主資本利益率)がありますが、コカコーラはなん
と毎年50%以上ものROEを達成してきました。日本企業で2桁のROEはほとんど皆無ですから、これは奇跡的な数字です。今日の米国企業の株主重視経営のお手本といってもいいでしょう。